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図−5 各潜航地点付近の地形横断面です。海嶺の幅や高さ、中軸谷の有無などが変化しているのがわかります

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図−6 18°S付近の東太平洋海膨で期待されるマグマ活動、熱水活動に関連した地震波の波形を示した図です

の鉄の放出量は、北部東太平洋海膨の10倍以上に達することがわかりました。その他の元素や二酸化炭素、メタンについても同様に高い放出量が見られ、ここが地球上で最大の熱・物質の放出点であることが判明しました。
3)海底地震計による観測
本年度の海底地震計による観測は、エアガンを用いた速度構造調査を主目的として、自然地震や微動の観測を併せて行いました。海嶺軸付近の地形がなだらかで幅も広く、マグマの供給量が多く、マグマ溜りの溶融領域が大きいと考えられ、マルチチャネル反射法探査でマグマ溜りの、上面を表す反射波が報告されている18°06'S付近を調査海域としました。図−6には18°S付近の地震計を用いた研究の模式図を示しました。
?構造
本海域において、5台の海底地震計を海嶺軸に直交した方向に展開しました。また、他の1台を18°11'S付近の海嶺軸上に設置して、海嶺軸方向の構造も求められるようにしました。海底地震計では、前に述べたマルチチャネル反射法のような連続した断面図は出ませんが、波の速度がわかり密度や温度の推定に役立ち、比較的深いところまで見えます。エアガンを用いた構造調査の結果、海嶺軸付近の海底面下にマグマ溜りに対応すると思われる低速度の領域が見られ、これまでマルチチャネルで見られていた強い反射面が確かにマグマ溜まりか部分溶融している部分の上面であったことがわかりました。
?自然地震
自然地震、微動や、日中の潜水船等に起因すると思われるノイズが記録されていました。自然地震は、第3レグで調査したセグメント中央の18°06'Sにおいては、LEG4,OSCの18°22'Sとは対称的に多くの微小地震波形が観測されました。ほとんどの地震は中央の地震計だけで観測され震源決定ができませんでした。隣りの地震計に届かないということは、地震計直下、海嶺軸付近の浅いローカルな活動だということです。震源の決まった地震もほぼ海嶺軸の下に位置していました。軸部の海底地形はなだらかなので、これから拡大につれ新しい断層(グラーベン)が作られ、中軸部が落ち込むようになるでしょう。そのための微小地震活動だと考えられます。
微小地震波形の中に、低周波でほぼ単一の周波数を持つ減衰波形のような特殊な形のものがありました。これは第3レグと第4レグとで観測されました。第4レグで観測されたのは、ほとんどこのタイプでした。この波形は、草津白根や外国などのマグマ溜りのある活火山に特有の地震なので、ここでもマグマの活動があることを示すのでしょう。

 

 

 

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